IQという数字について
IQテストを受ける前に、その数字が何を言っているのかを知っておくと、結果の読み方が変わります。むずかしい話ではありません。IQは、あなたの中にある何かの量ではなく、大勢のなかでの位置を数字に置きかえたものです。
IQは「大勢のなかの位置」を数字にしたもの
今つかわれているIQは、偏差知能指数と呼ばれるものです。決め方はこうです。まず同じ年齢の人を大勢集めて、同じ検査を受けてもらいます。その集団の成績の真ん中を100と決めます。そして、成績のばらつきの幅を15と決めます。あとは、ひとりひとりの成績がその集団のどのあたりだったかを、この物差しの上の数字に置きかえます。
だから、平均が100なのは、そう決めたからです。自然にそうなったのではありません。100点満点の100ではないので、120でも150でも上があります。
ここから大事なことが1つ出てきます。比べる集団が無ければ、IQという数字はそもそも作れません。集団の真ん中が分からないのに、真ん中を100と置くことはできないからです。
100人のうち、何人がどのあたりに入るのか
成績のばらつきが釣り鐘のような形(正規分布)になっていると考えると、人数の分かれ方は算数で決まります。平均100・ばらつきの幅15として計算すると、こうなります。
| IQの範囲 | そこに入る人数 |
|---|---|
| 85 〜 115 | 100人のうち およそ68人 |
| 70 〜 130 | 100人のうち およそ95人 |
| 130 以上 | 100人のうち およそ2人 |
| 145 以上 | 1000人のうち およそ1人 |
| 70 以下 | 100人のうち およそ2人 |
この表は、上の決め方(平均100・幅15)と釣り鐘型の分布から計算した数字です。実際の検査結果がこの形にきれいに乗るとは限りません。
昔は、割り算で出していました
もっと古い時代のIQは、精神年齢 ÷ 実際の年齢 × 100という式で出していました。10歳の子が12歳の平均と同じ成績なら、12 ÷ 10 × 100 で120、という形です。
この式には困ったところがあります。大人に使えません。30歳の人の「精神年齢が40歳」に、意味がないからです。だから今は、年齢で割るのをやめて、同じ年齢の集団のなかの位置で出す形になりました。同じ「IQ」という名前でも、中身は別のものです。
同じ「IQ130」でも、意味が同じとは限りません
ばらつきの幅を15にするか、別の数にするかは、検査ごとに決めごとがあります。幅の取り方が違えば、同じ130でも集団のなかの位置は変わります。どの検査で、いつ、どの集団と比べて出た数字なのかが分からなければ、数字だけを並べても比べたことになりません。
さらに、比べる集団は年が経つと変わっていきます。同じ検査を何十年も使っていると、基準そのものがずれていきます。だから検査は、何年かごとに集団を測り直して作り直されます。
このサイトが、IQの数値を出さない理由
ここまでのとおり、IQという数字は標準化された標本があって、はじめて作れます。当サイトはその標本を持っていません。年齢別に大勢の人を集めて、同じ問題で測って、真ん中を決める、という作業をしていないからです。
それをやらないまま3けたの数字を返すことはできます。実際、無料のIQテストの多くは返してきます。ただ、その数字は測った結果ではなく、そのサイトが決めた数字です。当サイトはそれをしません。
かわりに出しているもの
図形推理・数理推理・論理推理・言語理解・ワーキングメモリ・処理速度の6分野それぞれについて、何問中何問正解したかを出します。そして、出た問題ぜんぶの解き方を出します。これは標本が無くても正しく言えることです。自分の中で、どの分野が取れてどの分野が詰まったかは、この形でも分かります。
きちんとした検査を受けたいとき
標準化された知能検査は、資格を持った人が1対1で実施するものです。道具も手引きも一般には売られていません。Webのテストで代わりになるものではありませんし、当サイトも代わりだとは言いません。
受けたいときの入口は、大人なら精神科・心療内科などの医療機関、子どもなら学校の相談窓口や、お住まいの自治体の教育相談・発達相談の窓口です。まず窓口に、何が気になっていて何を知りたいのかを伝えると、必要な検査につないでもらえます。
なお、知的発達のことを判断する場面では、検査の数字だけで決まることはありません。日常の生活でどれくらい困っているかも合わせて見ます。当サイトはその判断をするものではないので、心配なことがあるときは上の窓口に相談してください。
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